
はじめに
「ユニバーサルデザインフード(UDF)」という言葉を聞いたことはありますか?介護食・高齢者食の分野で広く活用されている食品の分類基準で、スーパーや薬局で売られている介護食品のパッケージに「UDF区分1〜4」という表示を見かけることがあります。
しかし「UDFとは何か」「学会が出している嚥下調整食分類とどう違うのか」「施設でどう活用すれば良いのか」について、正確に理解できているスタッフは意外と少ないものです。
この記事では、UDFの定義・4区分の意味・学会分類との関係を整理した上で、介護施設での実践的な活用方法を解説します。

ユニバーサルデザインフードとは
ユニバーサルデザインフード(UDF)は、日本介護食品協議会が定める自主規格です。2003年に制定され、現在多くの食品メーカーが対応した製品を製造・販売しています。
「ユニバーサルデザイン」という名前の通り、健康な人から嚥下機能が低下した方まで幅広く使えるように設計された食品を対象にしています。食品の「かたさ」「粘度」「まとまりやすさ」の観点から4つの区分に分類しており、消費者が適切な食品を選びやすくすることを目的としています。
なお、UDFはあくまでも業界団体の自主規格であり、法的に定められた制度ではありません。表示している食品メーカーが自社製品を評価・認定しているものです。
UDFの4つの区分を詳しく理解する
| 区分 | 名称 | かたさの目安 | 主な対象者 |
|---|---|---|---|
| 区分1 | 容易にかめる | かたいものや大きいものが食べにくい | 歯や義歯があればある程度噛める方 |
| 区分2 | 歯茎でつぶせる | 噛む力が弱い | 歯茎や舌でつぶせる程度の力がある方 |
| 区分3 | 舌でつぶせる | 噛む力や飲み込む力が弱い | 舌でつぶせる程度の力がある方 |
| 区分4 | かまなくてよい | 噛む力や飲み込む力が非常に弱い | 固形物が困難だが飲み込む力はある方 |
各区分には物性の基準値(硬さ・粘度・付着性など)が定められており、メーカーはこの基準を満たした製品にUDF区分を表示できます。
区分1(容易にかめる)
通常の食事より少しやわらかいもの。煮込んだ肉料理・やわらかい野菜など。歯が少ない方・義歯が合っていない方でも食べやすい。
区分2(歯茎でつぶせる)
歯茎で軽く押すとつぶれる程度のもの。茶碗蒸し・絹ごし豆腐・煮魚など。義歯なしでも歯茎でつぶせる方向け。
区分3(舌でつぶせる)
舌と口蓋(上あご)で押しつぶせる程度のもの。やわらかく煮た野菜・ゼリー状の料理など。噛む力がほとんどない方向け。
区分4(かまなくてよい)
舌でつぶすことも難しい方向け。ムース食・ペースト食・プリン状のものなど。口の中に入れて飲み込むだけで食べられる。
UDFと「嚥下調整食学会分類2021」の違い
介護施設で食形態を管理する際、UDFと並んでよく使われるのが「嚥下調整食学会分類2021」です。この2つの基準は似ているようで、策定主体・目的・対象が異なります。
| 比較項目 | UDF | 嚥下調整食学会分類2021 |
|---|---|---|
| 策定主体 | 日本介護食品協議会(業界団体) | 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 |
| 性格 | 業界自主規格 | 医療・介護向け専門基準 |
| 主な用途 | 市販食品のパッケージ表示 | 施設・病院での食形態管理・情報共有 |
| 区分数 | 4区分 | コード0〜4(細分化あり) |
| 評価基準 | かたさ・粘度・付着性など | 物性に加え嚥下の安全性も考慮 |
介護施設での食形態管理には学会分類を基準とすることが推奨されています。UDFは市販の介護食品を選ぶ際の参考として活用するのが適切な使い方です。
2つの分類の対応関係(おおまかな目安)
UDFと学会分類は完全には対応していませんが、おおまかな対応関係として以下が参考になります。
| UDF区分 | 学会分類の目安 |
|---|---|
| 区分1 | コード4(嚥下調整食4)に近い |
| 区分2 | コード3〜4に近い |
| 区分3 | コード2〜3に近い |
| 区分4 | コード1〜2に近い |
ただし、これはあくまで目安です。個々の食品・利用者の状態によって異なるため、この対応表だけで食形態を決定することは避け、必ず専門職の評価を基準にしてください。
おすすめの施設向け完全調理済み食材はこちら
健康食サービス心の
高齢者・介護施設向け
完全調理済み食材
【介護施設向け】1食125円~のお食事です。
美味い・簡単・格安な施設用食材です。土・日・朝だけのご利用もOK。一品からでも低価格で導入が可能です。
介護施設でのUDF活用の3つのポイント
ポイント①|市販UDF製品を「補助的に」活用する
施設での日常食のメインは自施設で調理した食事・完全調理済みチルド食材を中心にしながら、以下の場面でUDF対応の市販製品を補助的に活用することが効果的です。
- 特定の食形態(区分4相当)への対応が難しい場合に、市販のゼリー食・ムース食を活用する
- 食事の量が少ない利用者への間食・補食として、高栄養のUDF製品を提供する
- 旅行・外出時の持ち運び食として市販UDF製品を活用する
ポイント②|外部食材の食形態表示を確認して選ぶ
完全調理済みチルド食材サービスを活用する際は、各商品の食形態表示・物性情報を確認することが重要です。サービスによってはUDF区分や学会分類に基づいた食形態情報を提供しているものもあります。利用者ごとの食形態管理表と照合し、適切なものを選択します。
ポイント③|利用者の状態変化に合わせて区分を見直す
利用者の嚥下機能は時間とともに変化します。「入居時は区分2で対応できていたが、半年後には区分3が必要になった」というケースは珍しくありません。定期的な嚥下評価(言語聴覚士によるVF検査・VE検査など)の結果をもとに、提供しているUDF区分・学会分類が現在の状態に合っているかを確認します。
やわらか食の調理ポイント
外部食材を使わずに施設で「やわらか食(UDF区分2〜3相当)」を調理する際の主なポイントをまとめます。
野菜・根菜
- 細かく切ってから十分に加熱する(煮崩れるくらいまで)
- 圧力鍋を使うと短時間でやわらかくできる
- かぼちゃ・さつまいもは蒸すと自然にやわらかくなる
肉類
- もも肉より脂の多い部位(バラ・肩)の方がやわらかくなりやすい
- 長時間の煮込み・蒸し調理で繊維をほぐす
- ひき肉を使った料理(ハンバーグ・そぼろ等)はまとまりが出てやわらかい
魚類
- 焼き魚より煮魚・蒸し魚の方がやわらかくなりやすい
- 骨抜き加工済みの切り身を選ぶ
- ほぐしてからあんかけにするとまとまりが出る
まとめ
ユニバーサルデザインフード(UDF)は日本介護食品協議会が定める自主規格で、食品を4区分に分類しています。医療・介護現場での食形態管理は嚥下調整食学会分類2021を基準とするのが適切で、UDFは市販製品を選ぶ際の参考として活用します。
施設での実践では、学会分類をベースに食形態管理を行いながら、市販のUDF対応製品・完全調理済みチルド食材を補助的に組み合わせることで、個別の食形態対応を効率的に実施できます。
おすすめの施設向け完全調理済み食材はこちら
健康食サービス心の
高齢者・介護施設向け
完全調理済み食材
【介護施設向け】1食125円~のお食事です。
美味い・簡単・格安な施設用食材です。土・日・朝だけのご利用もOK。一品からでも低価格で導入が可能です。



